保育園の設計で考えたこと
- 2019/04/23
- 14:58

この保育園の設計で一番頭を悩ませたのは種々の設計条件ではなく、建物の形でした。
住宅街にあるため家に見えてはいけない、また四角い建物にしたら面白さに欠ける、加えて避けたかったことは法規上の理由(斜線制限や建蔽率、後退距離等)でいかにも“こうなってしまいました。”とわかってしまうような形にはしたくありませんでした。
(実際には敷地は狭かったのでかなり法的な制約が形になりやすい条件ではありましたが。)
何よりも大事なこと、それは“どのような考えで保育園を設計するか”に尽きると思います。
未来をつくっていく子供たちを育む場としての保育園、設計者としてどう形を作るか、これが一番頭を悩ませた問題です。
私は学びの場としての四角い箱に卵を組み込む形を考えました。
卵、即ち“生み出すもの”あるいは球体でもいい、それは即ち“繋がりや広がり”を意味します。
子どもたちが皆と繋がり手を取り合って新しい世界、調和のとれた素晴らしい世界を生み出していけるように、そんな願いを込めた形としてあのような建物となりました。


そしてその外形としての卵型(実際には施工上の理由で7面体になりましたが)は2階の図書コーナーでまさに“いっぱい学んでどんどん伸びていきますように”を具現化するデザインを意識して設計しました。
丸い照明も手伝って小宇宙にいるような感覚も感じてくれて子どもたち、そして先生方も
“ここにいるだけで楽しい“そう感じてもらえたら幸いです。
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