大工さんの仕事
- 2019/04/27
- 10:47

1年前の解体から(施工の相談は2年前から)始まったプロジェクトもようやく終盤を迎えています。建物の過半を占めるテナント部分は既に引き渡しを終え、各テナント工事も始まっています。

和食、オーガニックカフェ、ヨガ教室、猫雑貨、耳つぼダイエット、整骨院等女性が好みそうなテナントが多く入り、特徴的な外観の効果もあって通行人は必ずと言っていいほど足を止めていきます。

日本建築学会賞(文学で言えば芥川賞みたいなものでしょうか?)をとったこともある著名な建築家が設計をして、ゼネコンさんのもとで木工事、屋根板金、水道、植栽工事等を弊社が請け負っています。
2階建てではありますが、戸建て住宅だったら5~6棟は建ってしまうようなボリュームの一棟です。



外観の目新しさに目を奪われながらも中に進んでいくと、急に何十年前の古さを思わせる木造家屋が現れます。それもその筈で、もともとここにあった母屋は築80年、同潤会アパートを設計した建築家の一人が初めて手掛けた民間の木造住宅であり、その一部を可能な限り再現しようとしたものです。
(当初は曳家の計画でした。→以前のブログ)
解体前に瓦を手でおろし、解体中も重機ではなく手壊しで梁や柱を外し、保管していたものを今再設置している最中です。
大工さんに余程の腕がなければできない芸当ですが、その仕事ぶりに私も思わず子供のように見とれてしまいます。そういえば私が小さい頃は子供が大人になったらなりたい職業の上位には必ず大工がありました。
今、住宅建築はどんどん工場で作られたものをくみ上げるだけになってしまいましたね。
それは時代の流れで受け入れなければならないのですが、こんな“匠”、“巧み”が残る時代であってほしいですね。
木巧舎の願いです。
職人が丹精込めた仕事は本当に素晴らしいものですから。
これからもよろしくお願いいたします。
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